歯周病と糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症の一つ
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
糖尿病は歯周病を悪化させます
高血糖になると、歯周組織の血管の基底膜が肥厚し、歯肉部分の血液循環が悪くなります。また、歯周病原菌を貧食する多形核白血病の機能が低下し、更に、歯肉のコラーゲン線維を溶解するコラゲナーゼの機能が亢進し歯周病が悪化します。
10年間の平均HbA1cが8%を超えると喪失する歯の本数は倍になり、また、歯周病の進行程度を示す歯周ポケットの深さも更に大きくなります。(HbA1c【ヘモグロビン・エーワンシー】値とは、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。)